リオのパラリンピックが終わって

先日、リオのパラリンピックが終わりました。皆さんはオリンピックは見たことがあると思いますが、パラリンピックは見られましたか?

 

私は仕事柄、家に居ることも多いので時々パラリンピックを見ることができました。パラリンピックって面白い!

障害というものを持っている人たち、という括りではなく、様々な個性を持った人たちが自分たちの持てる力を出し切って戦う姿はとても心に刺さるものがあります。

そして、普段私たちが見る競技とは違う新しい競技があることを知り、その面白さに惹かれることもあります。

 

今回のパラリンピック、NHKのスタジオからの放送で、ゲストとして、以前パラリンピックに出場されていた人が出ていらっしゃいました。その中で私の目を引いたのは、車椅子の陸上競技で活躍し、北京では金メダル、そしてロンドンでは銀メダルを3つも獲得した伊藤智也さんでした。

 

当時の私にはパラリンピックというものへの興味はそれほど強くはなく、何かのニュースでパラリンピックの様子をチラリと見る程度でした。そしてその時に、車椅子でトラックを風のように駆け抜ける伊藤さんの姿を拝見しました。

 

記憶はおぼろげですが、確か銀メダル獲得後のインタビューで、伊藤さんはその喜びを全身で表現して、「男、伊藤智也、我が人生に一点の悔いもなし!」とおっしゃっていたことが今でも印象に残っています。とても輝いていました。

 

その放送の中で、アナウンサーの方が伊藤選手は体の治療を押してこのパラリンピックに出場し、大会が終わった後にはまた治療が待っているというような内容の情報を話されていました。私は、パラリンピックという大会に出ている選手たちが様々な過去を乗り越えて、また現実を抱えながら、その場に立っていることを知りました。

 

辛かったこと、絶望したこと、迷ったこと、それは健常者とか障害があるとか関係なしに誰もが経験することです。でもそれを乗り切った人たちがここにいるんだと感じました。

私なんかダメダメだな、もっともっと前に進まなくては。そう思うことができました。パラリンピックのあの伊藤さんのように生きたいと思ったのです。

 

その後、伊藤さんは選手を引退したそうです。私は時々、伊藤さんはどうなったのだろう、治療はうまくいったのだろうか、と心のどこかで気になっていました。オリンピックを見ながら、そういえば、パラリンピックで感動したなあと思ったりしていました。

 

そしてリオのパラリンピックをテレビで見たとき、スタジオにあの伊藤智也さんがいらっしゃったのです。選手生活から離れたので、当時よりは随分と上半身も痩せられてスッキリとして、しかもスーツを着ていらしたので、目に焼き付いていた競技場での姿とは少し印象が変わっていましたが、間違いない、あの人だ!と思いました。

 

とても嬉しかった。また伊藤さんのお元気そうな姿を拝見できて。パラリンピックはどんどんレベルが高くなってきて、今ではオリンピックに出る選手とタイムなどの差もあまり変わらない選手も出てきました。次回東京でのパラリンピックも、世界中の人たちの活躍を楽しみにしています。